「伊藤、東野。もうチャイム鳴ってるぞ~。急げ~」 俺がそう声を掛けると、2人は俺に気付いて、ハッ、とし、小走りでまず俺の横を、伊藤が通り過ぎて行った。 そして、その次の瞬間。 「沖野先生も、急がないとね」 そんなセリフと同時に、一瞬、振り返った笑顔。 そのまま、2人は去って行った。