「美雪に会えないから……手紙、渡しててくれないか?」 「えっ? 何も言っていかないのか? なんなら呼び出すぞ?」 「いや、いい。祥の状況も分かんねぇーのに、美雪に余計な心配かけたくないから」 俊夫はちょっと眉間にしわを寄せた。 「本当にいいのか? 後で、美雪ちゃんがショック受けるんじゃないか?」 「今度会った時に、ちゃんと話すよ……じゃぁ、俺、もう行くから。いろいろ世話になったな、サンキュー」 俺はバタバタとそう言って、合宿所に停めてあった自分の車に乗り込む。