俊夫はそれを見て、ちょっと眉をひそめた。 気付かないフリをして、俺は灰皿を片付けた。 時計を見ると、23時。 「今日は20時上がり、って言ってたのに、またなんかトラブルでもあったのか?」 「ああ、ちょっと……美雪ちゃんが熱出して」 「えっ?」 流しで灰皿を洗ってた俺は、そのまま振り返った。 やっぱりあの時、無理にでも起こしてやれば良かったのか?