その時。 「美雪? どうしたの? 体冷やすから早く入りなよ?」 俺からは死角になってたけど、美雪が立っている位置は体育館と合宿所の通用口だった為、合宿所の中から、そんな言葉が聞こえた。 「うん。今、戻る」 美雪は合宿所の中の方に、そう返事をする。 俺はそんなやり取りを、ボー、っと眺めていた。