美雪はそんな表情のまま立ち上がろうとして、羽織っていた俺のジャケットを落としてしまった。 それを拾ってから、美雪は立ち上がって俺を見た。 「これ、涼の?」 「ん? あっ、それ? そうだよ」 「汗で汚しちゃった……ごめんなさい」 俺が勝手に羽織らせたんだから、気にしなくていいのに。 思わず、クスッ、と笑ってしまう。