「おっ、残念。お迎えが来ちゃったようだぜ」 俺は親指で体育館の方を差した。 美雪は振り返った。 「美雪―! 何してんだ? 部活、始まるぞっ!」 ここからは体育館の入口までは、少し距離があったので、その男子は大声で美雪に言った。 本当は美雪が俺を避けた理由を知りたかったけど……俺が嫌われてるんじゃないのが分かったから、今日のところはこのままでいいか。 そう思い、俺はその場を離れようと、海の方へ歩き始めた。