「送ってくよ」 ファミレスのドアを出たところで、くるりと公平が振り向いた。 その言葉に目を見開く。 「なに驚いてんだよ。 ちゃんと覚えてるぜ。おまえんち」 そう言って、ふふんと鼻を鳴らす。 覚えているとか、覚えていないとか、そんな事で驚いているんじゃない。 ファミレスを出てもなお、公平と共に時間を過ごせるなんて思ってもいなかった。 今時、たったこれほどの事で喜んでいるわたしは、ちょっと遅れているのだろうか。 23にもなって、少しピュア過ぎる?