全てがキミだった



わたしが俯きながら言うと、公平は何も言わずにわたしに背中を向けた。


両手をポケットに突っ込んで歩いて行く公平の姿を、わたしはただ見送ることしか出来なかった。


あぁ……


なんだ。


そっか、わたしには何の興味もないんだ。


ただ運んでくれただけ。


別に、深い意味なんてなかった。


何を期待していたのだろう。


馬鹿すぎる――…



その場に、所在なくただ佇む。


視線を落として、公平の足音だけを聞いていた。


静かな廊下に、その足音が悲しげに響いている。


あまりにも、素っ気なかった。