全てがキミだった



どんな人なのか聞こうにも、鯉のようにパクパクと口を動かすだけで声帯を震わせる事は出来なかった。


「お母さんには言わないでよ。後でいろいろとうるさい事になるから」
 

わたしは細かく何度も頷く。


そして、


「もう少ししたら、家に連れてくる予定だから。
それまでは秘密にしておく」
 

その言葉に、さらに開いた口がふさがらなかった。


いつの間にそんな人が出来たの?
 

綾の真剣な顔を見ていたら、


なんだか、公平に連絡を入れてみようかなと思ってしまった。


前に進む為に、必要な気がして。