『ごめん。
おまえの気持は嬉しいよ。中途な事してる俺が悪いのはわかってる。だけど俺は、やっぱりミサキの事が好きだ』
 


痛かった。
 

何よりも、公平の、ミサキを思う切ない目が痛かった。
 

何もかも忘れてリセット出来たら、楽だろうか。
 

次の新しい恋を見つけて、グルグル巻きにしたあの箱を開ける事が出来るだろうか。


楽しい思い出として、笑えるのだろうか。
 

わたしが好きだと公平に告白する度に、公平は輝きを失っていった。



「お母さんだって何も言わないけど、心配してるんだからね。
ちゃんと考えなよ。おやすみ」