真っ暗な塀の中。
満足な食事はなく。
決められた労働をこなし。罪を償う。
俺は今、刑務所の中で暮らしている。
なんでこうなった?
親に言われるがままに勉強して。
教師に言われるがまま進学し。
世間の期待に答え続けた。
なのに、なぜ?
もう一度だけ人生をやり直せたら。
もう一度昔に戻れたら。
そしたら、俺は
俺は―
「バカですねぇ。人生をやり直すことなど出来る訳がないでしょう。」
真後ろから誰かの声がして俺は後ろを振り返った。
誰もいない。
当たり前だ。ここは刑務所で俺に割り当てられた一人部屋。
自由に出入りも出来ないし、誰かが勝手に入ってこれるわけない。
「ですが。昔のあなたに手紙を出すことは出来ますよ。」
また、空耳が聞こえた。
気持ち悪いほどにリアルな声。そしてあり得ない話だった。
「昔の自分に手紙を?」
あり得ない。あり得ない。あり得ない。
とんだ幻聴だった。そう言って笑い飛ばしてやろうとした瞬間―
『パサッ。』
小部屋に用意された小さな机のうえに、何か軽い物が落ちる音がした。
満足な食事はなく。
決められた労働をこなし。罪を償う。
俺は今、刑務所の中で暮らしている。
なんでこうなった?
親に言われるがままに勉強して。
教師に言われるがまま進学し。
世間の期待に答え続けた。
なのに、なぜ?
もう一度だけ人生をやり直せたら。
もう一度昔に戻れたら。
そしたら、俺は
俺は―
「バカですねぇ。人生をやり直すことなど出来る訳がないでしょう。」
真後ろから誰かの声がして俺は後ろを振り返った。
誰もいない。
当たり前だ。ここは刑務所で俺に割り当てられた一人部屋。
自由に出入りも出来ないし、誰かが勝手に入ってこれるわけない。
「ですが。昔のあなたに手紙を出すことは出来ますよ。」
また、空耳が聞こえた。
気持ち悪いほどにリアルな声。そしてあり得ない話だった。
「昔の自分に手紙を?」
あり得ない。あり得ない。あり得ない。
とんだ幻聴だった。そう言って笑い飛ばしてやろうとした瞬間―
『パサッ。』
小部屋に用意された小さな机のうえに、何か軽い物が落ちる音がした。