◇葉凪◇


「彰?誰だそれ」


翌日、彰の事を祐樹たちに聞いてみた。

みんな、彰の事を知らなかった。


「そっかぁ…」


「何、そいつと会ってんの?」



哉弥の顔が険しくなる。


「いや、会ってるっていうか…昨日助けられて」

「助けられて?…何があったかちゃんと話してくれる?」


別にわざわざ言うつもりは無かったけど、祐樹たちがしつこいから全部話した。




「は!!?」

「誰!?お前をいじめたの!!」


「え…いや、名前までは分かんない」


何か事が大きくなってるような…。



「くそっ!ごめんな葉凪、辛かっただろう」


「あ…えと…まぁ」


何て曖昧な私。




「じゃあ、取りあえずその彰っていう奴には礼を言っておかないとな」

「あぁ、そうだな」


「そいつ…何組?」

「え、分かんない」


「じゃあ…部活とかやってないの?」

「…分かんない」


「同い年だよな?」

「……分かんない」



「何で分かんないんだよ!」

「わーごめんっ!」



思えば私、彰の事…何にも知らなかったな。


「仕方ねぇな…」