そして見つけ出した黒い『林檎うさぎ』とやらを俺に差し出した。


「これ、亮のね」

「……だから、いらねぇって」

「林檎うさぎってね、色んなお守りになるんだよ。最初は恋愛関係だけのお守りだったんだけど、最近は違うのもあって、黒は……」

「……『健康第一』?」


林檎うさぎと同じチェーンで繋がるシルバーのプレートに刻まれている文字を読むと、奈緒は満面の笑顔になる。


「そう。だからこれは、喧嘩っ早い亮に」

「……」


奈緒の笑顔に渋々キーホルダーを受け取る。

……ありえねぇだろ。


「……、…」


隣から聞こえてきた変な声に視線を向けると、そこには笑いを堪える奈緒の姿があって。


「……おまえな、」


そう言ってじろっと奈緒も見るも、楽しそうな奈緒に、俺からも笑みが零れた。