なんだか嫌な予感がして……ケータイを握る手に力をこもる。
なかなか出ない店長に……、不安が募る。
長いコールの後、店長がやっと電話に出た。
お店が忙しくて出られなかった事を聞いて、胸をなでおろす。
『……美沙戻ってきてるってこと?』
「はい。やっぱり何かあったんでしょうか……」
店長と電話をしながら、窓の外に目を向ける。
10月の空はどんよりしていて、落ちてきそうだった。
秋の空は高いってよく言うけど……雲が厚くて重たそうで、いつもより近く感じた。
「家族の人は何も言ってないんですか……」
外を眺めていたあたしの目が、校門で止まる。
……佐伯さん?
あたしの知ってる佐伯さんとは少し雰囲気の違う女の人が校門に立っているのが見えて……言葉を止めた。
……髪の色違うけど、多分。
「店長……、」
電話を切って、ケータイを持った手を胸の辺りで握る。
視線の先にいる佐伯さんは……校門脇に小さく縮こまっていた。
子供のような姿に、悲しくなって目を細める。
……あたしを待ってるの?
少しの不安がよぎって……身体を強張らせた。



