イジワルな恋人



「じゃあ……俺の好きにさせてもらうからな。

おまえが言ったんだから責任取れよ?」


言葉と一緒に重なってきた唇に……、身体が小さく反応する。

触れた唇が嬉しくて、胸が締め付けられるみたいだった。


「ん、…、ぁっ…」

「1ヵ月以上俺の事ほっといたんだから……覚悟できてんだろうな」


わざと意地悪な事を言う亮を、じっと見つめ返す。


……うそつき。

いつも……、

すごく優しく触れるくせに。


あたしは亮の首に手を回して……そのまま抱き締めた。


「いいよ……。覚悟、できた」


……本当は、あたしもずっと亮に触れたかった。

触れて欲しかった。


亮の唇が、指が、優しく身体を辿っていく。

気持ちが伝わってくる体温に、亮をぎゅっと抱き締めた。








「……ん」

「目、覚めた?」


目を開けると、ぼやけた視界に亮の顔が見えた。

周りを少し見渡して……、自分がベッドの中にいる事に気付く。


「あれ……? あたし、寝てた?」


さっきまでの事を思い出して赤くなったあたしを、亮が優しく見つめる。


「……泊まってけば?」


突然の亮の言葉に、顔がますます赤くなる。

部屋に広がる甘い雰囲気にうなづきたくなるけど……。