イジワルな恋人



寝ている亮の隣に、そっと腰を下ろす。

そして、寝顔を見ようと顔を近づけた。


「……覗き見すんなよ」

「えっ……」


突然聞こえた声に……、慌てて身体を起こそうとしたのに。

いつのまにか反転していた体勢に、抵抗する暇もなくベッドに押し倒された。

ふかふかのベッドがその衝撃で軋んだ音を立てる。


「亮っ……起きてたの?」

「おまえがベッドに座った時に目が覚めた。……さっきの続き、する?」


亮が笑みを浮かべながら聞く。


「……~~っ」


なかなか頷けないでいると、亮が顔をギリギリまで近づけて挑発する。


「……ん?」


亮の視線に捕らえられて……顔が熱を持っていくのがわかった。

「……っ」

「なに? 聞こえないんだけど」


『続きがしたい』

なんて、言えないよ……。


「亮の……好きにしていいよ」


悩んだすえの答えに、亮だけじゃなくて言ったあたしまで驚いた。


「あれ?! 違っ、そういう意味じゃなくて……っ」


亮は意地悪く笑ってあたしの唇を指先でなぞる。

ぞくぞくする感覚に、勝手に身体がすくんで、それ以上言葉が出てこなくなる。