「早くおまえを迎えにいきたいから」 「……え」 「無職の男じゃ、幸せにしてやれねぇだろ?」 そう言ってから…… 亮がふっと表情をゆるめて、今度は『開』のボタンを押す。 扉が開くと、亮が歩きはじめて……あたしもその後を歩いた。 うれしさからなのか、頬が熱い。 「……気が早いよ」 「そうだな」 病院を出ると、一面に青空が広がっていた。