「お疲れ様」
「本当に先輩きてくれてよかったです。
……あっ、そうだ! オレンジがきれそうだったんだっけ」
独り言みたいに言って補充に向かおうとした香奈ちゃんを止める。
「あ、いいよ。やっとく。休んでて」
お礼を言う香奈ちゃんに笑顔を向けてから従業員室に置いてある補充用のドリンクを取りに向かう。
ノックをしてドアを開けると……、佐伯さんが椅子に座ってケータイをいじっていた。
「……お疲れ様です」
目を合わさないようにしてそう言うと、補充用のドリンクを持った。
「ねぇ、水谷さん。今日亮くんは?」
「……さぁ。お休みじゃないですか?」
あたしの言葉を聞いて、佐伯さんがケータイ画面を見つめたまま笑みを浮かべる。
「っていうかさぁ、付き合ってんでしょ?
それくらい見てればわかるし。白々しい演技やめてくんない?」
一瞬、戸惑いを隠せなかったけど……、すぐに佐伯さんを見据えた。
「じゃあ、なんで亮につきまとうんですか?」
あたしの向けた真剣な表情に、佐伯さんが笑う。



