「いいじゃーん。別に彼女がいる訳じゃないんだし。

っていうか、ミナを彼女にしてよー」


自分の事を名前で呼ぶ女にイライラが募っていく。

……本気でうぜぇ。なんなんだよ、昨日から彼女彼女って―――……。


「ねぇー……亮くん?」


急に立ち止まった俺に、女が不思議そうな表情を向ける。


『彼女』か……。

特定の女を作れば、周りも少し落ち着くって事か。

少し考え込んだ後、思い当たった人物に片頬を上げる。



――そして放課後。

俺は、一年の教室に向かった。