イジワルな恋人



亮の手があたしの顎に触れて、閉じていた口が割られる。


「……っ」


亮の熱に、身体が小さくすくむ。

……ドキドキする。

キスって何度しても慣れない……。


「……ぁっ、…」


一度離れた唇が、角度を変えてもう一度重なる。

頭が痺れたようにぼーっとしてきて……。


身体中が溶け出してしまいそうな感覚に襲われていた次の瞬間。


胸元に直接あたるクーラーの冷気に気付いた。


「……きゃあ!!」

「……っおまえ、耳元で……」


あたしの叫び声に、亮が顔を歪ませる。


「そっそんな事よりっ! ……何してんの?!」


いつの間にかはだけていたブラウスを胸の前で握り締めながら聞く。


ブラウスのボタンは4つ目くらいまで外されていて……

それに気付いた途端、どんどん顔が熱くなっていく。


「……別に。ボタン外してたんだけど」


亮が悪びれもせず言った言葉に、思わず言葉を失う。