「だって……、亮だってまんざらでもないみたいに山本さんの隣で笑ってたもん……っ。
あたし、ちゃんと見てたんだか……ん…っ…、」
あたしのやきもちに落ちてきたのは、さっきとは違う優しいキス。
「……っ…」
亮にキスされると、なんにも考えられなくなる……。
入り込んできた亮の舌が、あたしの思考回路を遮断させて、身体中全部が亮に支配される。
次第に熱のこもってきたキスに、少しの余地も許されなかった。
やっと解放された唇に、乱された呼吸を繰り返す。
亮はそんなあたしに、真剣な表情を向けた。
「関係ねぇよ。もうおまえ以外はいらねぇ……。
奈緒しか欲しくない」
「……っ」
亮の言葉に、胸がキュっと締め付けられた。
……なんで亮は、あたしの安心できる言葉をくれるんだろう。
わざとなのかな……。
だって、こんな事言われて嬉しくない女の子が、ドキドキしない女の子が、いるわけない。
