イジワルな恋人



「……奈緒?」


亮の胸から、あたしを呼ぶ声が聞こえて……。


あたしは、亮の匂いのする制服に、顔を埋めたまま……


気持ちを伝えた。





「あたし……、亮が好き。亮が、好き……」





ひんやりしていた背中が、だんだんあったかくなっていく。

あたしの背中を抱き締める亮の体温に、胸が締め付けられる。

浮かび上がってきた涙に、あたしも亮をぎゅっと抱き締めた。



亮……。


今さらかもしれないけど……、

あたし、こんなに亮が愛しい。




こんなに亮が好き……。