「目、腫れてる。……昨日泣いた?」
「……あ、えっと……」
自分でも、少し目が腫れてるのは気付いてた。
だけど、まさか亮に気付かれるとは思ってなかったから動揺してなかなか言葉が出てこない。
そんなあたしに、亮は小さなため息をつく。
そして、伸ばした手で、頭をくしゃくしゃと撫でた。
亮の手に触れられて、胸はドキドキうるさいのに、不思議と心地よく感じる。
ずっと、触れていて欲しいような、そんな気分があたしを包む。
しばらく頭を撫でていた亮の手が、ゆっくりと離れた時。
無意識に、もっと触っていて欲しいって思う自分に気付いて、きゅっと唇をかみ締めた。
どうしよう……。
今、すごく、亮に触りたい。
亮に、
もっともっと触れていて欲しかった……。
生まれたばかりの新しい想いが、胸を締め付ける。
止めなくちゃいけない気持ちなのに、新しい感情が、心臓のリズムを速めていた。



