イジワルな恋人




驚いてる俺に、外に出た女はしゃがみ込んで俺と視線を合わせた。


「あたし、こういう女だから。もう話しかけたりしないで。

同時進行男」


勢いよくドアを閉められる。

女が向かった先は、……キャバクラ? あいつが……? 

まぁ、あの外見なら……。


だけど、普通に考えれば学校にバレたら退学だろ。

あんな堂々と制服で行くって事は店側も承知で……?


女の予想外の行動に、はっきり言って動揺していた。

……まぁ、でも別にあの女が退学になったって、俺には関係ねぇしな。


「亮様、車を出してもよろしいでしょうか」

「……」


別に、どうでもいいし、関係ねぇけど……。


「亮様?」


……―――くそっ!

俺は車のドアを開けて、勢いよく外に出た。

普通気になるだろっ。あの女、どういうつもりだよ……っ!