イジワルな恋人



「……だってさっき食べられないって言ったじゃん。

それに亮、そんなに大食いでもないのに……」

「……うるせぇな。食えるって言ってんだろ」


亮の傲慢な態度に口を尖らせると、真ちゃんが苦笑しながらあたし達を止める。


「ほら、ケンカすんなって。それに俺もう昼食べたから。

ちょっと一服しにきただけなんだけど、生徒の前じゃマズいし、別の場所に移るかな」


気をつかってか、そう言いながら真ちゃんはドアを開けて。

その姿が見えなくなったところで亮を振り返る。


「もうっ! なんであんなに態度悪いの?」

「……別に。気に入らねぇから」

「……なんで? いい先生だと思うけどなぁ。女子にも人気あるし」

「……おまえも、好きなんだ?」


亮の目が、なんだか意味深に見える。


それを不思議に思いながら頷いた。