クレイジーチェリー

なっていた。十二時三十分を過ぎていた。あたしはお腹が空いていた。竹中医師はカルテナンバー二十六番の兵藤を指名した。兵藤は明らかに兵藤とは違う表情のままで「退院したら大学に入りたい。そのためには、まず大検を取ることが必要なので、大検を取りたい。そして大学で哲学を勉強したい。」と発表した。所詮目標というのは予定に過ぎない。つまりは予定は未定なのだ。次の瞬間驚くべきことに、兵藤は一瞬にして眠った。。色白で透明に透き通った、か細い左手首に、ついさっき切りつけたかのようなリストカットのあとがあった。血が流れていた。