「うん。」 「でもな、何年経ってもその蛾の長女は月に辿り着けへんのよ。」 「うん。」 「でね…、月に向かって飛び続け十年ほど経ったころその蛾の長女はね、自分は月に辿り着けたと思い込むようになりよったんよ…。」