次の日のクリスマス・イブ、二十四日が俺たちの学校の終業式であった。相も変わらず、あいつは、終業式後のホームルームが終わろうとしていた午前十一時三十分過ぎに飄々と教壇脇の扉から顔を出した。兵藤の遅刻癖もクラスメートの悪い噂の対象となっていた。担任の竹中はうんざりした表情をしているが指導を投げて無視している。教室内ではクラスメートたちのひそひそ話が大きくなりはじめ、その様子に竹中は焦ったのか急に声を荒げてクラスメートたちを牽制した。
「はいっ!静かにして!