次の日のクリスマス。「兵藤さんおるかー!?」富山直樹は104号病院内閉鎖病棟重病患者保護室の扉を開いた。そして「あ!そうか…」と言って扉を閉じた。おそらくこの先富山も伊藤も永山や佐々木、そして、あたしも二度と104号室の扉を開くことは無いのだろう。富山は何を思っているのだろう…。
もちろんではあるが、この部屋には内側の取っ手がない。外側からしか開けられないし、
もちろん外側から施錠する。
重症患者は何をしてくるかわからないし、当然自由に出入りなんてさせることなんてないからだ。
ぐるりと部屋を見回すと、富山直樹が無言で扉を閉めた。