クレイジーチェリー

兵藤は自演なのか。思わず、あたしは言った。「そのノートは何?そして、あなたは誰?」「え?」「つまりね‥あなたは誰?」兵藤が無言で、あたしを見ている。「う~ん…」「医療従事者の前では答え辛い?」「…」「いいよ…。ぶっちゃけて……。」突然もとの兵藤の表情に戻り目が虚ろになると、別の表情の兵藤になった。「狂ってるよ。あたしは狂ってるよ。あたしは誰?一体何?あたしの存在は…」
あたしは頷く。
再び兵藤がもとの兵藤の表情に戻る。「そう?うちは、そうは思わんけど…。だって傑作でしょ…。最後の世の中無循て考えるとことか‥。恐らくムジュンて読むんやろうと思うけど…。言葉まで造ってるやん?。」話が噛み合わない。まるで別の次元があるようだ。その次元その世界での会話では成り立っているのだろうか。