―――そんなの、ウソだ。

最近になってやっと、涙を流さない日を迎えるようになった。



あの日、あたしの中ですべてが終わった。

朝方までの短い時間。

思いを伝えることも、結崎さんに返事を聞くこともせず、淡々と流れていった時間。


あの日、あたしは決めたんだ。

行動なんて起こさずに、静かに結崎さんを思い続けようって。



それなのに、心は正直で……。

結崎さんが部屋を出た直後に引きとめようとした自分がいた。

そして、会いたくて会いたくて、毎日のように泣いている自分がいた。




「うぉっ、やべっ、店長来た!」



外を見ていた村岡くんが突然叫ぶ。