「結崎さん、来てるのかしら?ちょっと中に入ろう!」 「あたしっ、ここで待つ!」 「えー?」 酔いが醒めた今となっては、結崎さんに会うのが恥ずかしかった。 今度会ったら謝ろうと決めていたのに、今だけは会いたくなかった。 しばらくすると、諒子が結崎さんと一緒に出てきた。 「鍵、失くしたって?」 「……はい」 真っ直ぐに顔を見ることができなかった。 「店の中、探してみよう?」 うつむくあたしの手を諒子が引っ張る。