社交辞令で、あたしは毎回笑って受け取る。

そんな自分を最低な女だと思う。


ただ、唯一、自慢できたことは、ヤケになったからとはいえ、誰にも体を許さなかったことだ。

……キスさえも。



だけど、周囲はあたしの気持ちなどおかまいなしに、変わり続ける。



「えっ?閉店?」



バイト先のコンビニが売上げ不振で閉店することを聞いたのは、永輝と会わなくなって二ヶ月が経った、梅雨真っ盛りの頃だった。



「今月いっぱいでね。君たちの新しいバイト先だけど、他にも店舗があるから、もし希望があれば連絡しておくよ」



永輝と出会ったコンビニ。

すべてがここから始まった。

永輝の後ろ姿を見て、感じた一瞬の運命。

あたしは急速に永輝に魅かれた。