ボーっとしているあたしに、結崎さんは静かに笑いながらもう一度、聞いた。



「え、あの、18……です」



自分がいったいいくつなのかさえも分からなくなるほど、頭の中は真っ白になっていて、やっと思い出した自分の年齢を口にする。



「そう」

「はい」



こういう時はあたしも聞くべき、なのかな。

などと思って、「結崎さんは?」と聞く。



「21」



年齢が明かされ、何も返すことができず、沈黙。



「大学生?」



バッグに入りきれなかった教科書を片手に抱えるあたしを見て、結崎さんはコーヒーを一口飲んでから聞いてきた。