着替える時には『着替え中』という札をかけるようにはなっているけれど、もし誰かが気付かずに開けてしまったら……と焦ってしまう。

そんな焦りから、大急ぎで着替えた。



着替え終わって更衣室のカーテンを勢いよく開けると……。

そこには、コーヒーを片手にタバコを吸う結崎さんの姿があった。



ドキッとして、思わず立ち止まる。


休憩中なんだ……。

なにもあたしが帰る頃に休憩に入らなくたっていいのに……。

嬉しいような、恥ずかしいような、変な気持ち。



結崎さんと目が合う。

あの優しい笑顔だ……。

胸がキュッと苦しくなる。



「お、お疲れ様でした」

「……何歳?」

「は、はい?」



普通なら『お疲れ様でした』と返ってくるはずなのに、予測もしていなかった質問にすぐに答えることができなくて……。



「何歳?」