いつものスーツに着替えたあと、もう一度、鏡で全身をチェックしてからホールに向かう。 奈緒ちゃんは、入り口に程近い喫煙席のカウンターでジュースを飲んでいた。 ……て言うか、誰だよ喫煙席に連れて行ったのは。 副流煙まみれになるだろうが。 「奈緒ちゃん、行くよ」 「あっ、うん。ちょっと待って、お金払わないと……」 「いいよ、俺が払っとくから」 レジのそばにいたバイトの子に千円札を渡すと、おつりは募金箱に入れるように頼み、俺は奈緒ちゃんと一緒に店を出た。