どこかの風景が映っている。 何だか妙にカメラアングルがふわふわした感じの、少しピンぼけの映像。 視線が右に左にゆっくりと弧を描くように流れていく。 私が金縛り状態になった原因は、録画した覚えの無い映像が映っている事だけではなかった。 映っている風景が、『墓地』だったからだ。 しろく薄ぼんやりと滲んだ光の中に立ち並ぶ、黒い墓石の群れ。 そして、彷徨うカメラが墓地を抜け出た。 ええっ? ドキンと鼓動が跳ね上がった。