私は、生まれて初めて『恐怖』で涙した。 パニック状態からどうにか脱した後、 すぐさま、学校で写真の相談の電話を掛けようとしていた、『お寺の跡取り息子の従兄』に電話を掛けて、カラオケボックスまで来て貰った。 恥ずかしながら、 私も香も、腰が立たなくなってしまったのだ。 香も又、私と同じ体験をしていた。 「全く、こう言う物をむやみやたら持ち歩くからこうなるんだよ」 ムッとしてそう言う従兄に「あははは……」と引きつった笑いを返しながら、 私は、一番気になった事を聞いてみた。