どれくらい時間が経ったのだろう。



-カサッ-



枯葉を踏む音がして、明日香が戻ってきたんだと静奈は顔を上げた。



けれど、そこいたのは……



「泣いてるの?」



「沼田……センパイ!?」



「俺の名前知っててくれたんだ」



そう、例え逆光を浴び黒い影になっていたとしても、密かに憧れ続けた人の姿を見間違うハズはない。



ぼーっとしていた頭が急に冴えて行き……自分が今もの凄く恥ずかしい姿になっている事に気付く。



風にさらされて乱れた髪。



泣き腫らした目。



腫れた唇。



こんな時に……どうしよう。