――酷く、惨(むご)いオブジェを見てしまった 壁に、腕二本 手首に黒い鉄鋼をつけられて、吊されるように、悪趣味なオブジェが二本あった ――誰の手 私の、でも痛くない 自分の手が切られたのにまるで他人ごとのよう だって、何も感じないんだ 魚のヒレを想像する『短くなった腕』がピチピチと動いている――見なきゃ分からない、分からない、分からない ――ああ、でも 「あ、ああぁ、あ!」 壊されていく自分に恐怖したのは確かだった