天然店員は俺様王子



「…………」


放課後、奈々がぴったりとあたしの横に張り付いて逃がすかボケって笑顔を浮かべてる。


課題をことごとく未提出だった透は、教室まで来た数学担当の教師つんちゃんに拉致られた。


……透が奈々に助けを求めてる内にうまく逃げられたと思ってたのに。


「さっ、行きましょう」

「めっちゃウキウキしてんな」


目を輝かす奈々なんて滅多に見れないけど、何がそんなに楽しいわけ?


仮にも、奈々の友達に復讐しに行くと言ってるのに楽しそうって……。


ブルッと反射的にふるえた体。


もしかしたらコレが奈々に逆らってはいけないと、みんなが口々に言う理由のひとつかもしれない。


諦めて、というよりげんなりして奈々と昇降口まで向かうと、見覚えのあるふたりがいた。


「あーやっと来たわ。HR終わるん遅すぎやろっ」


は!? まさか一緒に来る気!?


キョウと翔太の姿に慌てるあたしの横で、奈々はあからさまに溜め息をつく。