私はこっち、虎はあっち。



でもね、私はたとえこの夏だけでも、幸せだったんだ。


鳥は自分に、一番大切なものを運んで来てくれた。


私自身で、引き寄せたんだ、精一杯。





虎の胸にしがみついて、我慢なんてわからないぐらいに泣いてみる。


泣いたら少しはすっきりする?


泣いたら少しは何かが変わるの?



きっと、そんなことはない。


だけど、今はただ自分の感情に正直でいたい。


その想いに、言葉なんか無くたって、虎は応えてくれる。





あと、七日間。



私は虎だけを見て。


虎だけを愛して。





その身体に、嫌というほど、私を刻み込んでやるんだ。