「朝の件はオレが悪かったと思ってる。
 だがこれだけは言わせてくれ」

 青司は丁度茶を口に運んだ所だったので、目だけでリアクションをした。
 オレはそのまま続ける。


「オレも絵理が好きだ。昨日気付いた。
 お前には渡さん。以上」


 ぶゴフっ! げほゲホげホゲほっ!!
 ゴトン! ゴロゴロゴロ


 飲んでいた茶が気管に入ったらしく、青司は盛大にむせた。

 長船が茶を用意する時に手を滑らせたのか、テーブルの上に急須が転がり、中身がぶちまけられる。

 中身の大半を注ぎ終わった後だったのと、長船の迅速な処置のおかげで、布巾が一枚汚れただけで、服や床に被害は出なかった。