「凪おっせー!」
「はぁ……つ、疲れた……」
言い出しっぺのあたしが、まさかのビリだなんて……あんまりだよね、コレ。
「は、はぁ……疲れたぁ」
「……久々に走った」
「ふ! サッカー部なめんな!」
正式メンバーじゃないくせに……。
「「「「……」」」」
駅内でゼーハーと乱れる息を整えるあたしたちに向けられる、周りの視線が痛い。
「ゆ、遊園地行く前に疲れて……何やってんだろうね、あたしたち」
「誰のせいだよっ」
「……凪、のせい」
「でっ、でも、のったのは……みんなだし…」
肩で息をするあたしたちは、それぞれの顔を見て吹き出した。
「ふ……あはは! うちらバカみたいだねっ!」
「笑わせんなっ」
「あはははっ!」
「……みんなバカってことで」
みんなみんな、笑ってる。
あたしたちの世界で、笑ってる。笑ってたい。