ふと、委員長が最初にこの家を訪れた時のことを思い出した。

あの時も確か、僕が紅茶を差し出して。

それから会話を交わして、僕の一言で、気まずくなったんだった。

しかし今は、あの時よりも場の空気は重い、気がする。


何を喋ればいいのだろう?


わからない。


人と言葉を交わすことは、こんなにも難しいことだったろうか。

思案していると、先に彼女が口を開いた。


「私ね、アレから調べてみたの、自分なりに」


何を、と口にするまでもなかった。

木病のことについて、自ら資料を探し、歩き回ったらしい。