考え事をすることは好きだった。

自分の中に、深く沈み込んでいく。


暗い、暗い奥底に。


そこには自分以外誰もいない。


その世界の、なんと心地よいことか。


今までも考えに没頭することはあったが、1人になることでいよいよそれに集中できた。


薄暗い部屋の中。世間という名の音は遠く。


これ以上ないほどの安息だった。



そんな中もっぱら考える内容は、この病気についてだった。