きちんとした食事を笹山さんにも取って欲しい、あたしのこんな気持ちから始まった事だけど、なんだか食卓が明るくなった気がする。




「岬様、琴弥様、お時間でございますので、支度の程よろしくお願いします」




朝食を食べ終えたあたし達は、笹山さんの言葉で忙しく動き始める。


あたしは大急ぎで三人分の食器を洗い終えると、カバンを持って玄関へと向かった。


髪の毛をバッチリ整えている岬サマに、腕時計をチラチラ気にしている笹山さん。




「すいません、遅れました!」



「おせーんだよ、お前」




あたしの謝罪の気持ちは、見事に岬サマの言葉に掻き消された。

…やっぱり岬サマは口が悪い。


改めて痛感した事実にムカムカしながらも、あたし達は地下駐車場へと移動した。




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