「熱ですね。三十八度ありますよ」



「…やっぱり」



「たぶん、昨日の雨が原因でしょう。

今日は学校もバイトも休んで下さい、琴弥様」




笹山さんはあたしから体温計を取り上げると、そそくさと立ち上がった。


あたしは情けなく溜め息をつく。



今日から、バイトの時は夜ご飯も朝作っておこうって昨日決めたはずなのに、初日から寝坊するわ熱出すわで。

最悪じゃん。



あたしは熱くなったおでこをそっと触る。


確かに昨日からダルいとは思っていたけど、まさか熱を出してるなんて思わなかった。




「…今日は安静にしておこう」




あたしは一人寂しく部屋に戻った。




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