お屋敷の前で、健斗さんが待っていた。

恭介さんと共に車を降りる。

「お世話になりました。」

頭を下げる健斗さん。

「こちらこそ、楽しく過ごすことが出来ました。」

微笑む恭介さん。

「ではまた連絡します。」

と言うと、車の中に消えた。

この人が嫌な人なら良かった。

そうしたら『お見合い』で気兼ねなく断った。

そう、朝まではそう決めたいた。

でも、恭介さんは素敵な人。

私をきちんと見てくれる。

「お祖父さま、起きてるかな?」

今日はお祖父さまの顔を見ていなかった。

「聞いて参りましょう。」

健斗さんの笑顔にホッとした。

私達はお屋敷に入った。