「うわっ、柚ってばもう来てたのっ!?」 約束していた一時。 その十五分前に真菜がやって来た。 自分が一番乗りだろうと思っていた真菜は、ひどく驚いた顔をしている。 「早く行こう!」 「もう、たかがラーメンじゃない。そんなに急かさなくなって……」 真菜の言葉を最後まで聞かず、あたしは【来来軒】のドアを勢いよく開けた。 「いらっしゃ……、あー! 柚ちゃんじゃないか!」 できたてのチャーハンを運んでいる途中のおばちゃん。 あたしを見て嬉しそうな声をあげる。